人財戦略

信金中金は、プロフェッショナルな人財の育成と多様な人財が活躍できる職場づくりにつとめています。

人財ポリシーの策定

信金中金を取り巻く環境や職員の働き方等が変化・多様化するなか、経営理念の実現に向けて経営戦略を着実に実行していくためには、職員が一体感をもって業務に取り組むとともに、人的資本経営の考え方のもと、職員一人ひとりが意欲・能力を最大限に発揮することが不可欠となっています。

こうした状況を踏まえ、職員と会社が「人財」に対する考え方を共有し、「人財」の価値の最大化を図ることを目的として、信金中金がこれまで大事にしてきた価値観をもとに、人事施策等を実行する際の拠り所となる「人財ポリシー」を策定しました。

人財ポリシーでは、職員一人ひとりが重要な財産「人財」であり、あらゆる価値創造の源泉であるという認識のもと、「人財」の価値の最大化につとめることを人財に対する基本的な考え方とし、職員に求めることとして、「使命感・責任感」、「お客様本位」、「変革志向」および「プロフェッショナル」の4つを掲げるとともに、「人財への積極的投資」、「多様な人財が活躍できる環境」、「能力開発・キャリア形成機会」および「公正な評価・フィードバック」の4つを職員に提供することとしています。

経営戦略と連動した人財戦略

「個」の強化と「組織」の活性化を通じた多様な人財づくりと信金中金の柱となる分野の専門人財の育成強化に取り組み、役職員一人ひとりのウェルビーイングの促進と人財・組織のパフォーマンスの最大化を実現していきます。

経営戦略と人財戦略の連動を示す図。「SCBストラテジー2025」に基づき、経営戦略の実現に向けた人財ポートフォリオ構築を説明。コンサルティング・収益・システム・デジタル分野の人財強化を中心に、「個の強化」と「組織の活性化」に関する施策が整理されている。例えば、スキル明確化、人財育成サイクル、適材適所の配置、多様な人財が活躍できる環境整備などが挙げられている。

人財育成サイクルの構築

信用金庫業界の中央金融機関として求められる役割を十分に発揮するためには、専門性を有し、変化の激しい時代に柔軟に対応できる人財の育成が重要です。

信金中金では、「認識・設定」、「スキル開発」、「実践」のサイクルを繰り返すことにより、「人財育成サイクル」を構築し、プロフェッショナルな人財の育成につとめていきます。

「専門性を有し、環境変化に柔軟に対応できる人財を育成」という方針を示す図。中央に「実践」「認識・設定」「スキル開発」の3要素が循環する円形図があり、それぞれに対応した施策として、「キャリアチャレンジ制度」「新規事業創出プログラム neXtry」「上司との定期的なミーティング」「経営陣との座談会」「SCBユニバーシティ」「国内外大学院・ビジネススクール派遣」などが記載されている。

認識・設定

人財育成やキャリア形成に関して、上司との定期的な面談機会を設けているほか、経営陣から職員に期待する役割や姿を共有することで、職員自身が目指す方向性・キャリアを改めて認識し、人財の活躍・成長を促す環境の構築を目的に、経営陣との少人数による深度あるコミュニケーションの場「役員座談会」を提供しています。また、上司(候補者を含む)については、面談スキル向上のための研修カリキュラムを階層別研修に取り入れています。

なお、新入職員に対しては、社会人として円滑にスタートするため、先輩職員をメンターとして任命し、様々なことを相談できる体制を整えています。

これらにより、自身の「あるべき姿」の認識や「ありたい姿」を設定し、その姿になるためのスキル開発につなげていきます。

■ 役員座談会

<主なテーマ>

  • 信用金庫業界・信金中金の未来のために、自身がどのように成長し、貢献していきたいか
  • ビジネスリーダーとして必要な視野・視座の涵養
  • 仕事とキャリア形成・自己実現について など

スキル開発

「ありたい姿」を実現するために、社内・社外での研修を通じて専門的なスキルを習得する機会を提供しています。

具体的には、「SCBユニバーシティ」を設立し、信金中金の各種業務の遂行に必要なテクニカルスキルやヒューマンスキルを身につける研修のほか、国内大学院や海外ビジネススクールに派遣する機会等、100以上の講座を提供しています。

また、「資格取得奨励制度」を設け、証券アナリスト等、50以上ある対象資格取得時には奨励金を支給しています。

これらで得た知識や知見により、スキルアップにつなげていきます。

SCBユニバーシティの体系図。新入職員から管理職・ライフデザインまでのキャリア段階ごとに、テクニカルスキル、ヒューマンスキル、DX、事業創出、外部派遣、自己啓発などのカテゴリに分けた教育内容が整理されている。基礎・発展・実践の講座体系や、ビジネススキルLevel0〜2、データサイエンス、MBA留学、通信教育、TOEIC対策講座などの学習機会が示されている。
■ DX人材育成プログラム

全職員のDXに関するリテラシー向上から、業務課題の洗出し、解決策の企画・立案、実現方法を検討できるビジネス系スキルを備えた人財育成を目的に、「DX人材育成プログラム」を提供しています。本プログラムの提供開始以降、データサイエンティスト等の技術系スキルの習得を目的とした外部派遣型の講座を拡充し、さらなるDX人財の育成に取り組んでいます。

さらに、職員の興味のある分野や専門性の高い分野について、自律学習を進める機会として、オンライン学習プラットフォーム「Udemy Business」を希望者向けに提供しています。

本プログラムを通じて、信金中金におけるDXのノウハウを蓄積し、信用金庫および中小企業のDX促進を目指していきます。

DX人財育成の段階を示すピラミッド図。下から上に「Level0(eラーニング)」「Level1(ワークショップ)」「Level2(ワークショップ)」と段階があり、DX基礎知識を有する人財、DX推進を支援するサポーター、業務変革を企画・推進するリーダーを育成する構成。生成AI活用講座も位置付けられ、DXとAIを活用した人財育成体系を示している。

実践

専門人財を確保・育成するための「キャリアチャレンジ制度」や、職員が新たな事業アイデアを提案し、自らが主体となって実現に取り組むプログラム「neXtry」など、職員が自らのキャリア志向に基づきチャレンジできる機会を提供しています。

■ キャリアチャレンジ制度適用者数
マーケットコース 10名
コーポレートファイナンスコース
システムイノベーションコース
■ 新規事業創出プログラム「neXtry」

2022年度にスタートした「新規事業創出プログラム『neXtry』」は、信金中金の職員が、地域や信用金庫等の課題解決に向けた新たなソリューションを提案し、組織的なバックアップを受けつつ、提案した職員自らアイデアの実現に取り組む制度です。

本プログラムでは、新規事業案を提案した職員が、トライ&ラーンの精神のもと、仮説検証を繰り返しながら事業案のブラッシュアップを行い、審査を経て事業化に向けて取り組みます。2024年度は、第3期プログラムを実施したほか、これまでに提案された事業案も事業化に至っています。

また、本プログラムでは、仮説検証のスキルを信金中金全体に浸透させることを目的として、初年度より研修体系を整備してまいりました。2024年度には研修内容のさらなる拡充を図り、役職員の仮説検証への理解を深めたことで、既存業務の実効性向上にもつながっています。

信金中金は、本プログラムを通じて職員の成長機会を創出するとともに、チャレンジが推奨される文化を育むことで、持続的な価値創造を実現する組織風土の醸成を目指していきます。

新規事業創出プログラムの流れを示す図。アイデア創出から事業化までのステップを「アイデア創出期間」「事業計画策定・仮説立案期間」「事業仮説の検証期間」「継続実施」に分け、1次審査・2次審査・最終審査を経て事業化に至るプロセスを説明している。ワークショップやアイデア相談会、メンタリングによる支援があり、仮説検証研修、DXや生産性向上などの分野別エントリー、信金中金役員によるプレゼン審査の様子などが紹介されている。

多様な「人財」の活躍に向けた環境の整備

信金中金は、職員一人ひとりがその能力を遺憾なく発揮できるように、各種制度やワークライフバランスの充実、多様な働き方の拡充ならびに仕事と家庭の両立支援等に関する施策に積極的に取り組んでいます。

信金中金の主な人事施策一覧。職員に提供する取り組みを4分類で整理している。①人財への積極的投資(新卒・キャリア・障がい者・アルムナイ採用、SCBユニバーシティなど)②多様な人財が活躍できる環境(テレワーク、デュアルワーク、副業、くるみん認定など)③能力開発・キャリア形成機会(資格取得奨励、外部派遣、メンター制度など)④公正な評価・フィードバック(業績考課、1on1研修、人材育成スキル研修など)これまでに取り組んできた施策が右欄に一覧化されている。
  • 有給休暇取得率の推移を示す折れ線グラフ。2020年度53.4%、2021年度56.7%、2022年度59.3%、2023年度61.8%、2024年度69.0%と年々上昇している。
  • 男性育児休暇取得率の推移を示す折れ線グラフ。2020年度6.9%、2021年度7.6%、2022年度105.7%、2023年度94.4%、2024年度110.7%。2022年度以降100%を超え、高い取得率を維持している。
  • キャリア採用比率の推移を示す折れ線グラフ。2020年度13%、2021年度13%、2022年度21%、2023年度33%、2024年度30%。2020年度から上昇傾向にあり、直近ではやや減少している。
  • 総合職新卒採用者に占める女性の割合の推移を示す折れ線グラフ。2020年度26.0%、2021年度22.0%、2022年度32.5%、2023年度23.0%、2024年度22.0%。2022年度に一時的に上昇したが、その後は減少傾向。
  • 女性役職者比率の推移を示す折れ線グラフ。2020年度8.3%、2021年度8.8%、2022年度8.3%、2023年度11.3%、2024年度11.4%。2023年度以降、11%台に上昇している。
  • ※1
    2022年度より育児目的特別休暇を導入
    2022年度以降は算定に育児目的特別休暇取得者を含む。
    過年度に出産した職員または過年度に配偶者が出産した職員が当事業年度に育児休業等または育児目的休暇を取得することがあるため、各取得割合が100%を超えることがあります。
    ※2
    採用した正規雇用労働者のキャリア採用比率
    ※3
    係長級にある者に占める女性労働者の割合を算出

ワークライフバランスの充実

職員のワークライフバランスの充実をはかるため、特別休暇として「連続休暇」(5営業日連続)を設けるとともに、年次有給休暇の取得促進策として、各職員の記念日に取得できる「アニバーサリー休暇」や心身のリフレッシュを目的とした「リフレッシュ休暇」(2営業日連続)の導入に加え、2024年度からの2年間においては、職員の有給休暇取得率を60%以上とすることを目標としており、新たに「プレミアム休暇」(3営業日連続)を導入しています。

多様な働き方および仕事と家庭の両立支援

「スライドワーク」(予め設定された勤務時間の中から職員が選択して勤務する制度)や「テレワーク」のほか、「デュアルワーク」(地方への単身赴任者が一定期間を本店等にて勤務する制度)を導入し、多様な働き方に対応しつつ、生産性の向上をはかっています。

また、職員の置かれた状況に応じた働きやすい職場環境を整備する観点から、職員が転居を伴う異動の有無を自律的に選択できる「エリア総合職制度」を導入しています。

加えて、職員の仕事と家庭の両立に向けて、「育児目的特別休暇」(配偶者の出産立会いや1歳に満たない子の養育などのために取得できる特別休暇)の制度を整備するとともに、「次世代育成支援対策推進法」に基づく計画として、2024年度からの2年間において、男性職員の育児休業や育児目的特別休暇の取得率を90%以上とすることを目標としています。

メンタルヘルスケアおよびハラスメント防止の徹底

ストレスチェックの実施や産業医による健康相談、外部相談窓口の設置、職能資格別研修による啓発など、職員のメンタルヘルスケアにかかる各種施策に取り組んでいます。

また、職場におけるハラスメント防止についても、全職員を対象としたeラーニング研修、役員による「ハラスメント防止にかかる宣言書」への署名のほか、ハラスメント全般の内部相談窓口、専任カウンセラーなどによる外部相談窓口の設置など、防止に向けた取組みを実施しています。

女性活躍に向けた取組み

制度面の充実などを通じて女性が活躍するフィールドの拡大やモチベーションの向上につとめています。

事務職においては、キャリアアップを志向する事務職職員が総合職に転換できる「コース転換制度」を導入しており、「エリア総合職制度」と併用することで、転居を伴う異動のない範囲で、より幅広い業務分野において能力発揮に専念できる環境を整備しています。

また、総合職においても、「女性活躍推進法」に基づく計画として、2019年度以降、総合職採用者に占める女性の比率を20%以上とするとともに、多様な人財が活躍できる職場環境の整備を目標としています。

シニア層の活躍に向けた取組み

シニア職員のうち、一定の実績や高い専門性等を有するとともに、後進の育成に優れる職員をマイスターとして任命し、役職者としての職務権限を委任することで、職責に応じた手当を支給する「マイスター制度」を導入しています。

キャリア採用施策の強化

転職潜在層へのアプローチや信金中金での活躍が期待できる多様な人財の確保を目的として、信金中金の業務内容および社風等を理解する信金中金職員が信金中金にマッチする知人等を紹介するリファラル採用を導入しています。

従業員エンゲージメント

金融機関のビジネスモデルの変革が求められるなか、職員が能力を最大限に発揮できる環境づくりを促進するため、“エンゲージメント”を重要テーマとして認識し、その向上に取り組んでいます。

具体的には、職員のエンゲージメントの状況を可視化し、PDCAを回すことで効果的にエンゲージメント向上をはかっていくため、2019年度よりエンゲージメント調査を実施しています。調査結果については、部門や職位等の属性ごとに分析のうえ、経営陣や部門長に共有することで、経営陣の関与や現場レベルでの取組みを通じた、組織と職員の信頼関係の強化につとめています。

また、定量的なデータである調査結果に加え、現場レベルで認識している課題等の定性的なデータを踏まえて、全社的な施策の検討・実施に取り組んでいます。

■ エンゲージメント向上に向けたPDCA
エンゲージメント向上に向けたPDCAサイクルと、組織風土の変革を説明する図。中央に「エンゲージメント向上」と書かれた円形のPDCA図があり、「調査の実施」「調査結果の分析」「分析結果の共有」「施策の検討・実施」の4工程が矢印で循環している。
■ 組織風土の変革
組織風土の変革の具体策として3項目が示されている。チャレンジを推奨する組織風土の醸成(新規事業創出プログラム「neXtry」、キャリアチャレンジ制度)心理的安全性の確保(役員座談会、SCBピアボーナス)エンゲージメントにかかる職員の意識改革(各部門の管理職とのミーティング、階層別研修)