コーポレート・ガバナンス

信金中金はコーポレート・ガバナンスの体制強化をはかり、経営の公正性・透明性の確保につとめています。

機関構成および組織運営

普通出資者総会

信金中金は、全国の信用金庫を会員とする協同組織金融機関です。普通出資者である信用金庫を対象に開催する普通出資者総会は、株式会社の株主総会にあたるもので、定例的には年1回開催しています。

また、普通出資者総会前には、地区毎に信用金庫の理事長等を集めた信用金庫役員懇談会を開催しています。この会には、信金中金から理事長をはじめ地区担当役員等が出席し、直近の経営状況等を報告するなど、経営内容について十分な情報開示を行うとともに、深度ある意見交換を行い、会員金庫を通じたコーポレート・ガバナンスの公正性・透明性の確保につとめています。

理事会

理事会は、株式会社の取締役会にあたるもので、定例的には年に9回開催され、重要な業務執行にかかる意思決定等を行っています。

監事

監事は、株式会社の監査役にあたるもので、理事の職務の執行を監査しています。また、監事全員で構成される監事会において、監査方針および監査計画に関する事項等を定期的に協議しています。

優先出資者総会

「協同組織金融機関の優先出資に関する法律」には、優先出資の保有者、すなわち優先出資者の総会に関する規定があり、優先出資者の財産的権利に損害を及ぼすおそれがある等の場合に優先出資者総会が開催されることとなっています。

このように、普通出資者である信用金庫とは別に、優先出資者からも経営に対するチェックを受ける体制になっています。

業務執行におけるチェック体制

業務執行

理事会が重要な業務執行にかかる意思決定を行い、その決定にもとづき、理事長が業務を統轄し、副理事長以下の常勤理事が理事長を補佐する体制のもとで、業務を執行しています。

また、理事会の決議事項または理事会への報告事項など経営に関する重要事項を審議、決定する場として経営会議を設置しています。

さらに、業務執行について幅広く審議するため、経営会議の下部機関として、組織横断的に審議・決定されるよう複数の常勤理事および関係部門長を構成員とする各種委員会などを設置しています。

監督・牽制

理事会が理事の職務の執行を監督しています。なお、理事会の構成員のうち定数の2分の1を超える人数は、信用金庫の業務を執行する役員で構成されており、理事会における牽制機能を確保しています。

監事監査

非常勤監事を含めた監事全員が、監事会等を通じて監査方針および監査計画に関する事項等を定期的に協議し、信金中金の経営に関するチェック体制の強化に取り組んでいます。

なお、各監事は理事の職務の執行を監査するにあたり、総会、理事会へ出席するほか、本部、支店の実地調査や、定期的に会計監査人との意見・情報交換などを実施しています。常勤監事は、以上の監査活動に加えて、その他の重要会議への出席、理事からの職務執行状況等の報告聴取、経営会議の議事録等の重要書類の閲覧なども実施しています。

内部監査

内部監査部門である監査部が、各部店ならびに子法人等のコンプライアンス管理態勢、リスク管理態勢および業務運営態勢が適切かつ有効に機能しているかを検証・評価し、より良い事業運営に資することを目的とした監査体制を構築しています。

内部監査では、各部店ならびに子法人等における法令・規程などの遵守状況、各種リスクの管理状況および業務運営の状況などについて検証・評価し、必要に応じ是正措置を講じるよう指導しています。

このほか、事務ミスの早期発見および事故防止の観点から、各部店が独自に行う店内検査の実施を義務づけています。

なお、信金中金では、ガバナンスを強化し内部監査の実効性を確保する観点から、デュアルレポーティングラインの構築を機関決定し、2023年10月から運用を開始することとしています。

外部専門家の活用

会計監査人にEY新日本有限責任監査法人を選任し、会計監査を受けています。また、会計監査人、顧問弁護士および顧問税理士などの外部専門家を活用し、高度化・多様化する業務への対応について、定期的または随時に相談を行い、アドバイスを受けています。

経営内容の適切な開示

優先出資を東京証券取引所に上場しており、金融商品取引法その他の関係法令や東京証券取引所の有価証券上場規程にもとづき、経営内容の適切な開示につとめています。

グループガバナンスの強化

監督機能の要となる取締役会議長として、グループ各社に会長職を順次設置する予定です。これにより、取締役会の機能を一層向上させ、適切なリスクテイクを支える環境を整備することで、監督と執行が両輪となって成長戦略を実行できる経営体制を確立してまいります。

株主その他の利害関係者に関する施策の実施状況

IRに関する活動状況

上場企業として東京証券取引所の有価証券上場規程等にもとづき、経営内容の適切な開示につとめています。

特に、決算内容については、日銀記者クラブ向けに記者会見を実施するほか、アナリスト、ファンドマネージャー、マスコミ関係者等に対して決算説明会を開催し、経営トップが説明にあたっています。決算説明会資料はホームページにも掲載し、個人投資家に対しても同水準の情報提供を行うなど、公平な情報開示にもつとめています。

また、ホームページでは、有価証券報告書、決算短信などのIR資料を年・項目ごとに整理して掲載し、アナリスト・個人投資家等の利便性の向上をはかっています。

このほか、信金中金および優先出資の認知度向上をはかるため、証券会社などの協力を得て、個人投資家向けIRセミナーを適宜開催しています。

内部統制体制の構築

法令等遵守をあらゆる事業活動の前提とすることを徹底するほか、「財務報告の信頼性を確保する」、「リスクをそれぞれの特性に応じて機動的・効果的に管理する」、「組織上独立した内部監査部門により内部監査を実施する」などの基本的な方針等にもとづき、内部統制に関する体制の整備・運用に取り組んでいます。

これら内部統制に関する体制の整備についての基本的な方針等を、信用金庫法および信用金庫法施行規則の規定に則り、理事会において決議したうえで、以下のような諸施策を行うことで内部統制システムの有効性の確保につとめています。

法令等遵守体制

詳細については、「コンプライアンス」のページをご覧ください。

理事の職務執行にかかる文書の保存等のための体制

  • 理事および監事が必要に応じて内容を確認できるよう、経営会議の議事録など、理事の職務執行にかかる文書を各主管部門において作成し、これを適切に保存することなどを定めた文書規程を整備しています。
  • 文書または電子媒体により保有する情報全般について、開示および持出等にかかる適切な管理などを行うため、セキュリティポリシーおよび情報管理規程などを整備しています。

リスク管理体制

詳細については、「リスク管理」のページをご覧ください。

理事の職務執行の効率性確保のための体制

  • 役職員が共有する全社的な目標として、事業計画を理事会において決定し、各部門において、この目標達成に向けて部門別事業計画を策定しています。
  • リスクテイクの基本的な考え方を明確化するとともに、リスクガバナンスの強化を目的として、リスクアペタイト・フレームワークを構築しています。
  • SDGsの考え方を踏まえ、信金中央金庫グループSDGs宣言を策定し、ESG投融資への取組みなど持続可能な社会の実現に向けた活動を実施しています。また、環境問題に対する役職員の行動の指針として、「信金中央金庫グループ環境方針」を策定しております。
  • 適切かつ効率的な意思決定のため、経営上重要な事項は、理事長、副理事長、専務理事および常務理事を構成員とする経営会議において審議のうえ、理事長が決定しています。このうち、法令等に定める事項については理事会で決議し、それ以外の重要な業務執行などについては、理事会規程などにもとづき理事会に報告しています。

監事監査環境

  • 監事の職務を補助し、監事の指示の実効性を確保するため、指揮命令により業務を行う専属の職員(監事付)を配置しています。
  • 経営会議の議事録などの重要な文書を閲覧に供するほか、決算に関する事項その他重要な事項を監事に報告しています。
  • コンプライアンス・ホットライン制度による通報内容について、総務部が監事に報告することとしています。
  • 監事から信金中金または子法人等に対し、監事の職務執行に必要な事項について報告の求めがあった場合には、監事に報告しています。
  • 信金中金および子法人等では、監事に対して報告を行った役職員等への不利益な扱いを禁止しています。
  • 監事監査計画にもとづく費用の請求などがあった場合、速やかに支払っています。
  • 監事が監査状況などを報告する監査結果の報告会を開催することなどにより、監事が理事長などの役員と意見交換を行う機会を設けています。

子法人等に対する統制のための体制

  • 子法人等の経営上の重要事項について、所定の手続きにより協議または報告を受けるほか、各種会議を開催し、子法人等との意思疎通につとめています。
  • 子法人等の重要な規程などについては、協議を受けた際、業務を所管する部門および総務部による法令等審査を実施しています。
  • 総合企画部を子法人等の経営管理に関する事項を所管する部門とし、子法人等の業務を所管する他部門と連携して子法人等への指導・支援を行っています。
  • 子法人等に対して、信金中金の監査部による監査を行っています。
  • 子法人等で発生した事故・不祥事件について、子法人等から直ちに報告を受けるとともに、原因および再発防止策を検証しています。

反社会的勢力の排除

「信金中金倫理綱領」において、反社会的勢力に対しては、確固たる信念をもってこれを排除し、関係遮断を徹底することを定めています。

総務部を反社会的勢力対応の統括部門とし、反社会的勢力による被害を防止するための情報収集および情報の一元的な管理態勢や対応マニュアルを整備しています。また、総務部および営業店に不当要求防止責任者を設置し、研修を実施しているほか、必要に応じ外部機関とも連携し、対応しています。

コーポレート・ガバナンスに関する報告書